あるくこと

七転八起とは言うけれど
転び続けていたら
何を目指していたのか 忘れました
ふと 我に返ると
馬鹿馬鹿しくなりました

誰かの引いたレールの上を歩くのは
嫌だと言ったけれど
気づいてみたら
目指す場所を忘れていたので
手近にあったレールの上を
歩いてました

歩いていれば何か目指すものも
見えてくると思ったけれど
何も見えては来ないので
立ち止まってみることにしました
そうしたら「頑張れ」と訳の分からない
励ましが飛んできました

歩かなきゃどうにもならないと思ったけれど
空を眺めて休んでいたら
誰かの声が聞こえてきました
その声は夢を語る
いつしかの自分の声でした

本当は目指していたものを
忘れたわけではないのです
転び続けると怖くなったので
忘れたふりをしてました
そうしたら
余計に怖くなりました

目指す場所がゴールだと思っていたけれど
はじめからゴールなんて決まってないのでした
運動会の徒競走でもなければ
障害物競走でもないのです

目指す場所にたどり着く必要はないけれど
何もしないでいるのなら
それは 大きな間違いです
私はそれに気づいたので
再び歩き出す事にしました

今は不思議と転ぶことも怖くありません
体がとても軽いのです
風が体を押してくれてるようです
振り返ってみたら
いつかの自分が背中を押してくれてました
また 転ぶかもしれません
その時は空を見上げることにしました
そうしたら きっとまた
歩き出せる
そんな気がするのです